今回は、売り出した不動産の宣伝広告にぜんぜん反響がないときの対処法についてお伝えするよ。
買い手が現れない原因を探り、改善のための対策を一緒に考えてみよう。
売り出し中の土地やマンションに買い手が付く気配がない。
値下げしたほうがいいのだろうか。
特に、初めて不動産の売却を経験する人は、少しでも売れない期間が続くと焦ってしまいますよね。
しかし、急な値下げは危険です。
もう少し辛抱するか、売り方を少し改善すれば、買い手が現れる可能性があるからです。
実は、僕自身にも土地を売った経験があります。
最初に依頼した不動産会社では、まったく売れる気配がなかったその土地は、不動産会社を変更することで売却に成功しました。
しかも、最初の不動産会社の査定よりも総額で240万円以上高く売れました。
売れない期間が長かった土地でも、最終的に2,300万円の現金に変わったのです。
これがそのとき不動産会社が作った売却価格の内訳です。
最初の売れない期間中は、もちろん値下げも考えました。
でも、この最終的な結果を見ると、やっぱり安易に安売りに逃げなくてよかったです。
いま、売れない不動産に頭を抱えているあなた。
焦る必要はないですよ。
僕のあの土地でも売れたのですから。
少し工夫をすれば、買いたいという人が出てくるはずです。
この記事では以下の3つをお伝えします。
- 不動産が長く売れないときのリスク
- 不動産が売れるまでの平均的な期間
- 売却中の不動産への反響を増やす方法
確かに、売れないまま不動産を抱えているのはリスクがあるよ。
でも、安売りは自ら損を招く行為だし、
長く売れない期間が続くといっても、そう感じているのはあなただけかもしれない。
実は不動産が売れるまでには一定の時間がかかるのが普通なんだよ。
僕自身も売れない期間に頭を痛めていました。
しかし、反響のない状態を改善する方法はあります。
この記事で詳しく説明していくので、焦らず、最後まで読んでみてください。
売却開始後、反響なしの売れない期間が長引くリスク
売ると決めた不動産は、可能な限り早く売ってしまったほうがいいです。
その理由は主に以下の3つのリスクがあるからです。
- お金が余計にかかるリスク
- 管理が難しくなるリスク
- さらに売れにくくなるリスク
いまの売れない状況の中にいるあなたを急かすつもりはないよ。
このまま売却期間が長引くことによるリスクを理解しておくことで、早めの改善が必要だということを理解してほしいんだ。
お金が余計にかかるリスク
マンションや土地の所有にはお金がかかります。
不動産を所有していると固定資産税や都市計画税といった税金が課されますよね。
固定資産税は「その年の1月1日に不動産を所有している者」に課される税金です。
買主を探しているうちに年を越してしまうと、数万円~数十万円の固定資産税の出費につながります。
管理が難しくなるリスク
売ると決めたマンションや土地。
もう住んだり、使っていなかったりする場合も多いでしょう。
僕の場合がそうでした。
相続で得た土地は、田舎のほうにありました。
特急を乗り継ぎ半日かけてやっとたどり着ける場所です。
こまめに面倒を見にいくことができなかったのです。
ほったらかしの土地は草木が伸びて、見た目にみっともなくなり、買い手に対しての印象が悪くなってしまいます。
また、未使用の土地は不法投棄の場所に使われる恐れもあります。
売り出し中で誰も住んでいないマンションや戸建てなら、空き巣や放火などに遭うかもしれません。
防犯や管理の手間を考えると、できるだけ早く売ったほうが安全かつ安心なのです。
さらに売れにくくなるリスク
売り出し期間が長引くことで、さらに売れる可能性が低くなるリスクがあります。
売主であるあなたと同様に、不動産会社もなるべく早く買い手を見つけたいと思っています。
不動産の売却活動には広告宣伝費や人件費などのコストがかかりますからね。
早く成約を勝ち取りたいので、不動産会社は新規で売り出した不動産ほど力を注ぎ営業します。
一定期間が過ぎてろくに反響がこない不動産は、不動産会社自身が「売れる可能性が少ない物件だ」と判断してしまうわけです。
そうすると不動産会社は強く買主にアピールしてくれません。
売れない期間が長引く不動産には、売れ残りのイメージも付きます。
まだ売れていないのは、「何か致命的な理由があるのでは?」と買主に勝手に決めつけられてしまうのです。
不動産会社のアピールが減り、買主への印象も悪くなってしまっては、売れるはずの物件でも売れにくくなってしまいますよね。
だから、早めに売り切ってしまうことが求められるのです。
不動産が売れる平均的期間は「3ヵ月」
不動産は早く売ってしまったほうがいい。
その理由は理解できたと思います。
それでは、「早く」とはどのくらいの期間のことをいうのでしょう?
一般的に、不動産が売れるまでの平均的な期間はおよそ3ヵ月といわれています。
すでにお伝えしたように、不動産会社は新しく売り出されるマンションほど優先して営業します。
家族で住みやすい。
利回りが良さそう。
こうした不動産価値の高い物件であれば、およそ3ヵ月以内で売買が成立します。
一方で、一度、3ヵ月を経過してしまうと、半年あるいは1年を越えても、購入希望者が現れない可能性が高くなります。
ただ、普通は売り出し直後の不動産にはある程度の反響があるものです。
売却開始と同時に売り物件としてレインズへ登録するからです。
レインズは、売り出し中の不動産情報が掲載されるサイトのことだよ。
全国的に売り出している不動産を調べられるサイトだから、このレインズへ掲載してもまったくお問い合わせがないという場合は、何かしらの問題があると疑ったほうがいいだろうね。
売却中の不動産へ反響がまったくないときの原因は以下の3つが多いです。
- 売り出し価格が高すぎる
- 不動産会社の営業が効果的に行われていない
- そもそもの不動産価値が低い
売り出し価格が高すぎる
不動産市場には「相場価格」というものがあります。
相場価格は地域によって異なり、同じような築年数や間取りの不動産であっても、所在するエリアが違えば価格帯も大きく変わってきます。
このエリアでこの程度の物件なら、これくらいで売れる、というのが相場価格だよ。
あなたの売り出し価格はこの相場価格を激しく上回っていないかな?
例えば、都心に位置しているマンションであれば需要があるため、築年数や間取りなどの条件が悪くても、相場価格は高くなります。
しかし、交通の便が悪く、近くに便利な商業施設もないような田舎の方にある土地。
まさに僕が売ったような土地のことですね。
そういう土地の需要は低く、売り出すときの相場価格は安くなります。
この相場価格について、買い手は必ず調べてから欲しい不動産を探します。
一方の売り手が、相場価格を知らずに、まわりで売られている値段とはかけ離れた値段で売り出してしまうと、買い手にとっては高すぎる物件となるので、興味をもってもらえないのですね。
結果、反響を得られないということです。
不動産会社の営業が効果的に行われていない
不動産が売れるかどうかは、不動産会社の営業テクニックに大きく影響されます。
要は、売るのが下手な不動産会社へ任せてしまっているということだね。
インターネットを活用した広い販売経路を持ち、広告やチラシなどの宣伝活動にも積極的な不動産会社なら、早く買い手を見つけてくれることが期待できます。
また、不動産会社によって、得意な業務が異なることも知っておきましょう。
マンションの仲介販売。
土地の買取。
不動産会社ごとに、力を注ぐ業務が違うのですね。
もちろんあなたの売りたい不動産に近い実績をたくさん抱える不動産会社ほど、売れる可能性は高まります。
そもそもの不動産価値が低い
つまり、買い手のニーズが少ない不動産を売りたい場合のことです。
ニーズとは、不動産を探している人にとっての必要性のこと。
買い手にそもそも魅力のない物件であれば、当然反響は減るよね。
そもそも買主が限られているような不動産ですから、反響が少なくなるのは当然です。
例えば、例に出すのが悲しいのですが、僕が売った土地なんて、ニーズのない不動産の代表と言えるでしょう。
田舎。交通の便が悪い。まわりに買い物、飲食ができるお店がない。広すぎる。
こうした買い手にとって悪条件が揃う土地に反響が殺到することはありません。
僕の土地の例が極端だとしても、「3LDKのファミリータイプのマンションを1LDKにリフォームして売り出した」というような気づかないうちに失敗している例もあります。
このリフォームの失敗の理由はこうです。ファミリー層の買い手は部屋数の多い物件を求めているのであり、1LDKのような単身者向けの部屋を求めていません。
このように、反響が少ない原因を自ら作っている場合もあるので、先にニーズについて理解しておくことも重要です。
売れない不動産への反響を増やす方法
これまで説明してきたように、売れない期間が長引く原因は必ずどこかに隠れています。
その原因を見つけられたら、改善することは難しくありません。
まずは以下の3つを試してみましょう。
- 適正な売値を調べる
- 宣伝・広告の方法を変える
- 売り出し期間を検討し直す
適正な売値を調べる
いま売り出し中の値段が適正かどうか、再度調べてみましょう。
何度か売却価格の値下げについては、触れましたね。
買い手を見つける1番効果的な改善方法は、売却価格の値下げです。
しかし、注意してほしいのは「焦った値下げはしない」ことです。
なぜなら、購入希望者との交渉中に必ず値下げの要求が生じるからです。
反響が欲しいために値下げをしてしまうと、購入希望者が現れたときにも値下げを求められ、最終的な売却価格が大きく減ってしまいます。
値下げで重要なのは、相場に合わせて適切な値段をつけ直す、ということです。
値段を感覚で下げては絶対ダメです。
必ず、同じエリアで同じような条件の物件がいくらで取引されているかを確かめてから、根拠をもって売値の再設定を行いましょう。
そして、できれば、あなたのケースによく似た販売実績を豊富に抱える不動産会社をパートナーに選びましょう。
不動産会社の実績と照らし合わせることで、売れる可能性が高い値段を見つけられます。
信用できる不動産会社を見つける方法は以下の記事で解説しています。
少しでも高く売却するための不動産会社の選び方
広告・宣伝の方法を変える
売りたい不動産にマッチする広告・宣伝の方法を考えてみましょう。
広告媒体
広告の発行部数
広告を載せる媒体
宣伝する範囲
広告部数
広告内のキャッチコピーや掲載写真
これらを売りたい不動産のニーズに合わせて、適切に決めていくことが必要です。
極端な例を出せば、ファミリーマンションのチラシを学生街のワンルームアパートの郵便受けにポスティングしても効果はありません。
住み変えを検討していそうな家族に届きそうな宣伝の方法を選ばなければいけませんよね。
不動産会社によって広告宣伝の方法を比較してみましょう。
中にはセンスの良いチラシを作ることが得意な不動産会社がいます。
成約率は不動産会社によって全然違います。
成約率とは、売却物件の数に対しての成功率のことだよ。
成約率の高い不動産会社に依頼したほうがもちろん売ってくれる可能性は高まる。
もちろん広告が得意な不動産会社ほど、買い手を早く見つけてくれます。
売り出し時期を再検討
少なからず中古マンションや土地には売り時があります。
一般的には、新学期が始まる前の1~3月は新天地を希望する人たちからの需要が増えるため、中古マンションや戸建て用の土地などは買い手を見つけやすいでしょう。
また、10月頃は新築マンションの販売が増えるタイミングです。
中古マンションとの比較が行われやすい時期で、また、10月は転勤の時期でもあるため、会社員向けの中古マンションの需要が高まります。
こうした売れやすい時期を狙って売却のプランを練り直すのも効果的です。
反響を増やすのに最も効果的なのは不動産会社の変更
いままで説明してきた、反響を増やすための方法は、簡単にいうと以下の3つの改善です。
- 売値
- 広告
- 時期
この3つの改善。
口にするのは簡単でも、実際に効果的に実行するには、不動産売却の経験のない人にとっては、難しいですよね。
そこで重要になるのが不動産会社選びです。
結局のところは、適切な売値を見極め、効果的な宣伝を行ってくれる不動産会社を選ぶことができれば、不動産の売却には苦労しないということですね。
売却時期についても、売却実績を豊富に持つ不動産会社なら物件のタイプごとに売れやすい時期を知っているはずです。
もしも、反響のない期間が長引き、いくら売却活動の改善に取り組んでも売れない場合は、不動産会社の力不足ということが考えられます。
不動産会社の中には、いままでの営業方法に間違いはないと根拠のない自身を持つところもあります。
売り方を改善してほしいお願いしても積極的に対応してくれない業者もいます。
そういう業者に担当してもらっている場合は、不動産会社を変更することが最も売却に効果的です。
不動産会社を変更するときの注意点
もしも今の不動産屋の働きに不満があり、新しいところを探す場合は、媒介契約について注意が必要です。
媒介契約は、不動産会社に売却を仲介してもらうときに結ぶ契約のことだよ。
媒介契約は、一般媒介、専任媒介、専属専任媒介の3種類がある。
それぞれで、契約上の「できること」が違うんだ。
一般媒介契約では、複数の不動産会社との契約ができるので、心配せず他の不動産会社に変更して構いません。
専任媒介・専属専任媒介契約は、複数の不動産会社との同時契約を許していません。
契約期間が終了したあと、新たな不動産会社へ変更できます。
契約期間中の解約は可能で、違約金のようなペナルティーが発生することもありませんが、解約までの売却活動に使った広告費を請求されることはありえます。
注意しましょう。
もし専任媒介・専属専任媒介契約中の不動産会社に不満がある場合は、まずは査定だけ他の業者でしてもらう方法がおすすめです。
今の業者と解約せずに、売れやすい価格と効果的な宣伝方法を提案してもらえます。
査定とは、あなたの不動産がいくらで売れるかを見積もりしてもらうことだよ。
不動産会社によって査定の結果はぜんぜん違う。
だから、複数の不動産会社で査定することが大切なんだ。
僕の土地は、不動産会社2社を経て、最終的に2,300万円で売れました。
でも、最初の査定額は2,100万円だったのです。
最初の業者で売らなくて良かったです。200万円以上を損するところでしたから。
こういう損をしないために、査定は必ず複数の不動産会社に依頼しましょう。
実際、不動産の売却に慣れた人は、少なくとも3社から査定を取るといいます。
不動産会社によって、宣伝広告の方法が違うことも説明したとおりです。
複数の不動産会社から査定を取り、一番良い価格で、もっとも効果的な宣伝をしてくれそうな業者を選びましょうね。
以下では、本当は不動産を売りに出す前に知っておくべき、業者の選び方について詳しく解説しています。
売り出し中のいまでも不動産会社を変更するときに役立つのでまた読んでみてください。
まとめ 不動産が売れるのは3ヶ月が平均。反響が薄くても諦めない。
これまで説明してきたように不動産の売却にかかる平均的な期間はおよそ3ヵ月。
売り出した直後に反響がなくても、焦って値下げなどせず、しばらくは様子をみてみましょう。
売り出し後、3ヵ月が経つ頃、まだ成約の成約の見込みがなければ、不動産会社の変更も視野に入れて、値付け、宣伝方法、売り出し期間の改善を考えます。
不動産が売れるかどうかは、不動産会社の力によるところも多いですが、売主自身が工夫できることもあります。
今回、解説した点を見直してみてくださいね。