相続した土地の活用方法をどう決めるかで、その後の人生が大きく変わる。
なぜなら、土地の活用方法によっては、大きなお金がふところに入ることになるからだ。
逆に、土地の有効活用に失敗すれば、本当は手に入るはずだったお金を損する。
だから、相続した土地をどうするかは慎重に考えたい。
相続した土地をどうするか、選択肢は以下の4つある。
- 売る
- 貸す
- 持つ
- 活かす
売る、貸す、持つ、活かす。
つまり、相続した土地への対応方法は、
1. 売却する。
2. 賃貸に出す。
3. そのまま持ち続ける。
4. 有効活用する。
4つの選択肢があるわけだね。
土地を売る場合には、買い主を探す。
土地を貸す場合には、借り主を探す。
両方とも見つけるまで様々なハードルがある。
土地をそのままキープして持ち続けるには、土地の維持費がかかる。
土地を有効活用したいなら、利益の出る活用方法をしっかり計画しなければいけない。
土地を相続したときの選択肢。
- 売るべきなのか
- 貸すべきなのか
- 所有するべきなのか
- 活用するべきなのか
4つの選択肢それぞれに、悩みどころが多すぎてなかなか決められない。相続したことを後悔する人もいるだろう。
そこで、今回の記事では、土地を「売る」「貸す」「持つ」「活かす」のどの方法が、一番リスクが少なく得するかを比較する。
その結果、以下のようなことがわかるよ。
- 土地を売却した場合の費用、利益、税金
- 土地を賃貸に出した場合の利益、費用、リスク
- 土地を所有する場合の維持費、税金、リスク
- 売却・賃貸・所有以外に土地を有効活用できる方法
土地を売るのか、貸すのか、持っておくのか、どの方法が得で、どの方法が損するか、知りたいよね?
売る、貸す、持つ以外に儲かる土地の有効活用の方法があれば、それも知りたいはずだ。
以下では、相続した土地を「売却」「賃貸」「所有」した場合のメリットとデメリット、そして、「土地を有効活用できる可能性」について詳しく解説していく。
相続した土地を「どうすればいいのか……」と悩んでいるあなた。ぜひ最後まで読んでいってほしい。
相続した土地を、売る、貸す、持つ、活かす、どれが正解?
もう一度、相続した土地への対処方法を確認しておこう。
土地を今後どうするかは以下の4つの方法から選べる。
- 土地を売却する
- 土地を賃貸に出す
- 土地を所有し続ける
- 土地を有効活用する
土地を賃貸に出すことは、有効活用の方法の一つだけど、今回の記事では、賃貸は土地をそのまま貸し出すことを指している。
有効活用は、土地の上にアパートを建てたり、駐車場を作ったりして収益をあげる方法のこと。あとで詳しく説明するよ。
ここ最近、マンションの増加とともに分譲マンションに居住する人が増えた。結果として、昔より土地を相続するケースが少なくなってきたようだ。まわりに土地を相続した経験のある知人がいない、誰にも相談できないと困っている人は多いだろう。
相続した土地へ正しく対処するには、専門的な知識もいる。でも、不動産屋は気軽に相談にいけるような場所ではないよね。
相続した土地をどうするか一人で悩む人は、まず、土地をどうするか4つの選択肢の違いを理解しよう。
売却・賃貸・所有・活用、4つの違い
土地の使いみちについての悩むのは、どの方法が一番得するか、損するかがわかっていないからだ。
売った場合には、「利益がどれくらいでるのか」を算出する。
所有する場合は、維持費、管理の手間などの「コスト」を明確にしておく。
土地を貸す場合は、借りてくれる人が現れればいいけど、借り手がみつからなければ所有し続けるのと同じコストがかかる。
他の活用方法を考えるときも、「活用方法ごとのメリット・デメリット」を知ることが欠かせない。
つまり、土地の正しい使いみちを見つけるための鉄則は以下の一文にまとまる。
どんな土地の使いみちでも、冷静にメリットとデメリットを比較して、最もリスクが少なく高収益を期待できる方法を選ぶんだ。
土地を売却したときのメリット・デメリット
土地を現金化できる
土地を売却したときの1番のメリットは、土地の資産価値が現金に変えられるところにある。
土地に限らず不動産の売買は、大きな金額が動く。好条件の立地にある不動産は需要が高い。想像しているより遥かに高い値段で売れる可能性も。
自分では使いみちのない土地でも、売却したら数千万円単位の利益が出ることだってありえる。
僕が売った土地は2300万円以上で売れた。
住んでなかった土地。貸すことも他に有効活用の方法が見つからなかった土地だ。
それでも2300万円の現金へ姿を変えた。
使いみちのなかった土地を売ったお金で、新しく住み替えるようのマンションを買ったりもできる。収益性が高い投資物件を購入する費用に当てたりもできる。現金化できたおかげだ。
土地がいくらで売れるかは、ネットですぐに査定できる。複数の不動産業者で査定すれば、一番高く売れる値段と一番安く売れる値段がわかる。
できるだけ高く土地を売りたいよね?
でも、なぜか査定を不動産会社1社で済ませる人が多い。
複数の業者で査定すればわかるけど、査定額は業者によってぜんぜん違うよ。
僕の場合で220万円もの差がついた。使ったのは以下の一括査定のサイトだ。
土地の売却にかかる費用
土地を売ったら、お金が入るだけじゃなくて、出ていくお金もある。タダで売却できるというわけではないんだ。
土地を売却する方法は、主に以下の3つ。
- 不動産会社の仲介
- 不動産会社の買取
- 個人間での売買
土地を売るとき、普通なら不動産会社の仲介を選ぶ。
なぜなら、他の方法と比べて、売却後、手元に残る利益が大きくなりやすい。また、売買の専門家である不動産会社へ売却を任せることで、法律や契約上のトラブルを回避できるからだ。
でも、不動産会社に仲介を依頼すると「仲介手数料」が発生する。
仲介手数料の金額は、取引額に応じて上限額が決められている。だから、不当な請求をされることはまずない。
でも、取引額の大きい土地の売却は、仲介手数料もかなり大きくかかってしまう。事前に計算しておいたほうがいい。売ったあと、手元に残るお金が期待より少なかったときのショックは、売ったのを後悔するくらい大きくなるから。
参考として仲介手数料の算出方法を表にしておく。
取引額 | 仲介手数料 |
---|---|
200万円以下 | 取引額×5% |
200万円超~400万円以下 | 取引額×4%+2万円 |
400万円超 | 取引額×3%+6万円 |
仮に、3,000万円で土地を売却できたら?
3,000万円×3%+6万円が仲介手数料の額になる。
この取引にかかる仲介手数用の費用は『96万円』。
売ったあなたが負担しなくちゃいけない。
土地売却の売れ残るリスク
土地を売り出しても、必ず買い手が見つかるという保証はどこにもない。
売れない土地は、売れるまで維持費や管理の手間などがかかる。
売れない土地の維持費といえば固定資産税だね。
固定資産税を支払いつづけることを考えたら、売却途中でも売値を下げる方が得という場合も多い。
土地の値段を下げるのは悔しいけど、売却期間を考えて、最終的に手元に残る利益を優先して売値を付けよう。
土地を賃貸に出すときのメリット・デメリット
借地料を得られる
土地を借地として貸し出すかわりに借り主からお金が得られる。「借地料」だ。
借地は、所有している土地を貸し出すだけだから、建物や設備のコストをかけずに始められる。借地の間、土地を特別に管理しなければいけない義務はない。
つまり地主はコストも労力もかけずに地代を得られる。
また、居住用建物の敷地に土地が使われている場合は、固定資産税の軽減措置による「節税効果」まで得られる。
借地権が発生する
建物の所有を目的にして土地を借りた借主に「借地権」という権利が発生する。
借地権があると、土地の所有者であっても自由に土地の扱いを決められない。
例えば、貸してる間に他の有効活用できる方法に土地を転用したくても、できない。
「土地を返してほしい」というような自由な要求が許されないんだ。
借地権は、土地の借り手に有利な権利。借地権の期限が長いと、その間、地主は自分の土地なのに、他の活用方法へ転用することができなくなる。
以下で借地権の種類と制限を一覧表にしておく。
普通借地権 | 定期借地権 | |||
---|---|---|---|---|
一般定期借地権 | 事業用定期借地権 | 建物譲渡特約付借地権 | ||
期間 | 30年以上 | 50年以上 | 10年~50年以上 | 30年以上 |
目的 | あり | なし | なし | なし |
更新 | 制限なし | 制限なし | 事業用 | 制限なし |
返却 | 定めなし | 更地 | 更地 | 更地 |
土地を所有し続けたときのメリット・デメリット
資産になる
所有している土地は「資産」だ。何かあったときの担保にもなるよね。
土地の価格は一定しているわけではなく常に変動している。
ご存知の通り、2020年に東京オリンピックが開催される。オリンピック景気で、東京の土地価格は右肩上がりに上昇している。
相続した土地が東京の一等地だったら良かったのになあ。
土地を売却している途中はそんな夢を何度も見たよ。
じっさい僕の土地は富山県の田舎の方にあった土地。価格の上昇は全く期待できなかったよ。
土地を資産化し、売らずに10年、20年と長い期間所有を続けていれば、相続時の地価とは比較できない価格に上がる可能性もなきにしもあらず。うらやましい話だ。
土地の所有にかかる維持費
土地を持ち続けると維持費がかかる。
まずは、税金。固定資産税と都市計画税だ。
次に管理費、そして維持するための手間もお金ではないけど、土地を持ち続けるのにかかるコストだ。
固定資産税は、市町村などの地方自治体が賦課する税金のことだ。土地や家屋を所有している人は納税の義務がある。
都市開発税は、地方税法で決められた税金。都市計画区域内の中にある土地や建物に、市町村が条例で賦課できる税金のこと。
土地を所有していくなら、これらの税金を負担しなければいけない。1回なら少額でも、毎年の支払いが積み重なると結構痛い。
土地を放っておけば、草木が伸びたり、ゴミが投げ込まれたりする。まわり近所に景観の面や衛生面で迷惑をかけないためにも、定期的なメンテナンスが必要になる。
空き地を原因にした犯罪や事故も多い。防犯への注意も地主として求められる。
草木を刈るには造園業者や剪定士への代金。
掃除を業者へ頼むなら清掃代。
お金がもったいない? 両方を自分でこなすにしても、手間がかかる。
土地を美しく維持していくには、お金も労力もかかるというわけだ。
災害のリスク
日本は地震が多い国として有名だ。実際に地震による津波、大雨による土砂崩れなどの災害が起きている。
確かに、土地は「資産」だ。でも災害の多発する日本では、一瞬で資産性をゼロにするリスクがある。
災害が起きることは予想できない。大地震や大災害のあと、土地や家などの不動産資産を売却してしまった人もたくさんいる。
相続した土地の活用方法
土地を売却、賃貸、所有するメリット・デメリットを比較していると、もっと別の方法で相続した土地を有効活用できないかを考えることがある。
土地を相続できるチャンスなんてめったにないからね。
このチャンスを活用して、収益目的で土地を利用できないか、考えてみると良い。
今回は、土地活用の定番の方法を2つ紹介する。
定番の土地活用といえば以下の2つだ。
- アパート経営
- 駐車場経営
地主ならではのビジネス。両方共に時間で給与を得る一般の労働方法から、働かずして収入を得られる不労所得へ移行できるチャンスとなる。
アパート経営のメリットとデメリット
土地に住宅を建てて、賃貸として経営する「アパート経営」。
既に所有している土地へ「建物」を建築する費用が初期投資としてかかる。
初期投資は大きいが、部屋さえ埋まれば、入居者がいる限り家賃収入として安定した収入を継続的に得られる。
長くに渡って収入を一定化させられることで、家計は落ち着き、将来の生計を立てやすくなる。
アパート経営には「節税効果」のメリットもある。
固定資産税は、駐車場や更地の場合では税金の軽減措置はないが、アパートを建てることで土地だけの固定資産税と比較して最大6分の1に軽減される。
ただ単に土地を放置しているより、だいぶ税金を抑えられる。
メリットを得られるのは、あくまで入居が一定していることが前提だ。アパート経営には常に空き室のリスクがある。
アパート経営は部屋を賃貸することで家賃収入を得ている。空室が多いほど、当然収入は減少する。
実は、全部屋が入居者で埋まっていることは珍しい。長い間、空き部屋に苦しむ大家も多い。
近隣のアパートの数や地区的な需要から、アパートの規模や部屋数、また賃料などをしっかり計画しなければいけない。
アパート経営で収益を継続して得るためには、専門的なノウハウが求められる。
いきなり土地を相続したような人には、なかなかこのアパート経営に関する知識がなく、失敗するリスクが高い。
しかし、一方で、アパート経営のプロフェショナルたちを頼ることで、継続的な収益をあげる大家さんもいる。
土地活用にアパート経営を素人判断で選択してしまわないように、一度くらいは専門の不動産会社から経営プランを提案してもらったほうが安心だ。
以下は、アパート経営のプランを複数の不動産会社から提案してもらえる。アパート経営はうまくいけば、将来の収入を安定させる。そのためのベストな経営プランを比較してみよう。
駐車場経営
駐車場経営は、アパート経営よりも少ない初期費用で始められる。
土地の上に車のスペースを仕切るだけの平面駐車場を経営する場合は、イニシャルコストをほとんどゼロで始めることも可能だ。
都会の狭い土地を活かすなら、立体駐車場にするといい。使いやすさと安全面を考えると、信頼できる最新の設備に投資したい。高くはなるだろうが、アパート経営の建築費用と比較すると、まだ安く済むはずだ。
駐車場の管理は、アパートの場合よりも手軽に済む。
アパート物件を管理するには、セキュリティ、衛生面の維持、老朽化対策など様々なところに手間とお金がかかる。
入居者の管理も大変だ。入居者同士が騒音問題でトラブルを起こすことは珍しくないし、家賃を滞納する入居者もいるだろう。
アパート管理と比較すると、駐車場経営は清掃や不正利用対策など比較的簡単で費用もかからない管理の方法で済む。経営にかかる労力が小さく、コストも抑えられるので、アパート経営と比較すれば、駐車場経営の方が「ローリスク」な土地活用方法だといえる。
ただ、駐車場経営の場合も結局は駐車スペースが車で埋まらなければ儲からない。交通量が少ないエリアで駐車場を経営しても需要はない。
儲かる立地かどうかを見極める能力が地主側に必要だ。
土地を売る、貸す、持つ、活かす方法 結局どれがいいの?
今回は、相続した土地の扱いに困る人へ向けて、「土地をどうするのがベストか」について説明してきた。
売却、賃貸、所有、活用のどの方法にも利点と弱点があることがわかってもらえたと思う。
都会で地価の高い場所にある土地なら、どの方法でも利益が出るだろう。
一方で、田舎にある土地は借り手もいないし、駐車場経営にも向かない。それならなんとかして売るしかない。
自分の土地がどのような状況にあるのかを冷静に見極め、どの方法がベストかを検討するのが一番だ。
しかし、普通の人には不動産の活用でお金を儲けるための専門的な知識がない。
あなたは、もし知人が、不動産なんて素人のくせに、いきなり土地ビジネスを始めようとしたら、どう思う?
無理だと思うよね。
そばの打ち方を知らないのに、いきなり蕎麦屋を手作りで開業するようなものだ。普通に考えれば、そばの打ち方を覚えるのはもちろん、接客方法や店舗設計も学び、近隣のライバル店舗の調査もしておく必要がある。でないと開業直後すぐに経営は傾くだろう。
土地の活用も同じだ。素人判断で売る・貸す・活かすを選んじゃだめ。冷静で客観的、そして専門的な知識をもって判断したい。
そこで、以下の土地活用専門のサイトを紹介しておく。最適な土地活用の方法を専門家に提案してもらえる。
土地活用のプロに土地を有効活用する方法を提案してもらえるんだ。提案は1種類だけじゃなく、複数の専門業者からしてもらえる。複数の業者から違う角度で活用のアドバイスをもらえば、かならずベストな土地活用の方法が見つかるはずだ。