田舎の土地の正しい売り方を知ってる?
田舎の土地は独特だから、賢い売り方をしないと売れ残るリスクがあるよ。
昨年、相続した田舎の土地を売った。
これが売れた値段。
広さは330坪、坪単価7万円。「ド」が付くほどの田舎の土地は最終的に2300万円の現金に変わった。
売却を成功させるには、不利な条件ばかりが揃っていた土地だった。それでも期待以上の値段で売れたのは、以下のような田舎の土地の正しい売り方を勉強したからだ。
この記事を読んでわかること
- 田舎でも信頼できる不動産会社の見つけ方
- 田舎の不利な条件でも土地を売るコツ
- 田舎の土地を売るときに注意しておくこと
あなたの土地も、田舎特有の下のような不利な条件を抱えてはいないだろうか?
田舎の土地を売れにくくする不利な条件
- 交通の便が悪い
- 近くに買い物ができる商業施設がない
- 面積が広すぎたり、形が悪かったりする
- 下水道が整っていない
- 近所や親戚づきあいがめんどくさい
こうした条件があると買い手が見つかりにくい。売れても、希望通りの値段では売れず安売りになってしまう。
そんな失敗を避けるため、ぜひこの記事を最後まで読んでほしい。田舎ならではの逆境に負けず、土地の売却を成功させる「賢い売り方」が身につくはずだ。
田舎の土地。こんな人はまだ売っちゃダメ
本当は、相続した田舎の土地はさっさと売ってしまった方がいい。
固定資産税や維持費がムダだし、今後、不動産価値が下がるリスクもあるからだ。
あなたの土地は、売る以外に何か別の方法で活用できる?
例えば、コインパーキングにしたりアパートを建てたり。
こうした土地活用の予定がないなら、できるだけ早く売却してしまった方がいい。
なぜなら時間がたつほどに大きくお金を損するからだ。
土地を持ち続けるには固定資産税や維持費がかかる。土地の周辺住民に迷惑をかけないため草を抜いたり防犯の対策をしたり管理の手間もかかる。
それに加えて確実なのは、田舎の地価が今後ますます下がっていくことだ。売ること以外にお金に変える方法がない土地は単なる金食い虫。
僕自身もひどく失敗した。
僕が相続したのは、現住所から遠く離れた田舎の土地。特急を乗り継いでやっとたどり着ける。移動時間と交通費が経済的にも体力的にも辛かった。
同じように相続した田舎の土地の呪縛に苦しむ人は多いだろう。
でも、注意してほしい。
このような人は、いま売りに出しても必ず失敗する。
土地の安売り、売れ残りを招く理由
- まだ土地の査定をしていない
- 査定はしたけどまだ1回しかしていない
- 複数の不動産会社を比較していない
もしあなたが、タダでも買い手が見つかればいいと思っているなら、適当な方法で売り出せばいいだろう。
でも、少しでも高く、そして早く売りたいなら、以下に続く「田舎の土地の正しい売り方」を知っておくべきだ。
田舎の土地でも高く売れる「賢い売り方」
実はボクもこの方法で売った。
冒頭にも載せたけど、説明のためにもう一度見せよう。
これが最終的にボクの土地が売れた値段。330坪で2310万円。坪単価にすると7万円だ。
でも、本当は坪単価6.3万円で売りに出した土地だった。そのときに売れていたら2079万円。230万円も損した可能性があったというわけだ。
なぜ最初よりも230万円高く売れたのか?
理由はひとつ。不動産会社を変えたからだ。
不動産会社によって査定額が違う
この不動産業界の常識を知らない人が多い。
マンションでも土地でも不動産を売ることなんて、人生に1回あるかないかだから仕方ないけど。
不動産会社に土地の見積もりを依頼することを「査定」という。
査定を依頼すると、不動産会社は「これくらいの値段で売れますよ」ということを教えてくれる。この土地が売れる見込額を査定額という。
査定額は不動産会社によって違うんだ。つまり土地の値段は査定をした不動産会社しだいということ。
簡単にいえば、あなたの土地。AとB、2つの不動産会社で査定してもらう。するとこうなる。A社1500万円、B社3500万円。
どっちに依頼するのが得なのか? 一目瞭然、査定額の高いB社の方に決まってる。
なぜ、査定額が不動産会社によって変わるの?
不動産会社ごとに、得意な物件と過去の実績が違うからだ。
過去に似たような物件をたくさん手がけた不動産会社ほど高く売る自信があるため、査定額も高くなる。
特に田舎の土地だと、買い手を見つけることが難しい。
だから、できるだけアナタの土地に似た販売実績を豊富に持つ不動産会社へ依頼しなければいけない。
でも、そんな不動産会社をどうやって見つければいいのか?
間違っても、土地の近所という理由で不動産会社を選んではいけない。そんな適当な選び方では、実績が豊富な不動産会社に巡りあうことができないからだ。
信用できる不動産会社を見つける方法は、こうだ。
1. まず査定を複数の不動産会社へ依頼する。
2. 査定を依頼すると、査定額と一緒に過去の販売実績やこれからの売却方法を提案してもらえる。
3. その提案の内容を比較して一番信頼できそうな不動産会社を選ぶんだ。
図にするとこうなる。
最悪なのは、たった1社しか査定せずに売りに出してしまうこと。そんな売り方だと一番安くて実績もゼロの不動産会社に任せてしまう危険があるからだ。
広くて需要が多い土地なら、不動産会社によって査定額が500万〜1000万の差が出ることもある。
売れたはいいけど、あとで本当はもっと高く売れたのにと後悔したくないはずだ。
後悔したくないなら、必ず複数社へ査定をしてから売却を始めよう。
といっても、そんなに不動産会社にコネがある人は少ない。
1軒ずつ街の不動産屋を足で回るのは大変だし、電話にしても、毎回同じ内容を伝えるのは面倒だし、電話賃もばかにならないよね。
そこでこういう賢い方法がある。
不動産売却に慣れた人たちがよく使っている方法で、一回の問い合わせで複数社に査定を依頼できるサービスだ。「一括査定サービス」という。
例えば、以下の「イエイ」という一括査定サービスは、全国900社以上の不動産会社のうち6社から一度に査定してもらえる。
査定方法も簡単で、ネットから土地の場所や広さを入力するだけだ。無料だし最短60秒で査定依頼ができるので覚えておくといい。
田舎の土地は確かに売るのに苦労するから悩むのも分かるが、こうしたネットを活用することで賢く高く売ることもできるのだ。
さて、あなたの土地の査定価格はどれくらいだっただろうか?
土地がいくらで売れるのかを知ったいま、さらに売却に対して現実的になれたと思う。
以下で僕が売った田舎の土地の売却ストーリーを綴っていくので、今後の売却活動の参考にしてほしい。
相続した土地は、田舎の不便なところにあった
ここからは、どんな方法で僕が田舎の悪条件の土地を売ったのかをお話する。
あなたのケースにあてはめて、売るときのヒントにしてほしい。
都会で需要の高いエリアにある土地なら、売るだけが選択肢じゃない。土地をそのまま賃貸に出してもいいし、アパートを建てて家賃収入も狙える。
人が買い物や食事に出かける商業エリアの土地なら、店舗経営やコインパーキングに利用できる。
人気のある場所に土地があれば、土地の活用方法は無限に見つけられる。
一方で、僕の土地は、富山県の高岡市という小さな街にあった。高岡市の中でも、更に交通の便が良くないところ。普段は電車の駅まで徒歩圏内に住む僕は、アクセスに悪い点ですぐ、ああこの土地は売れないんだろうなと思ってたよ。
当時住んでいた場所から、特急を乗り継いで1日かかるほど離れてたから、気軽に様子を見にいくこともできない。
土地を美しく保つための管理がまったくできないんだ。
売り出すときは、まだ土地の上に家が立ってた。放ったらかしにされるほど、土地も家も老朽化していく。
遠く離れた田舎にある土地は、放置が続き、ますます買い手にとって魅力のない枯れた不動産へ変わっていった。
土地の上に立ってた大きな屋敷。
子供の頃、目と鼻がホコリに弱かった。大きすぎてあまり掃除が行き届いていないその家は、目が痒くなり鼻水と涙に苦しむ場所だったけど、夏休みや正月の度に、泊まりに行くことを楽しみにしていた。
いわゆる僕にとっての「いなか」だったんだ。
今も目をつぶれば、正月に家族と親戚一同が介しおせちを食べた畳の部屋。欽ちゃんの仮装大賞を見てたテレビの部屋。記憶がよみがえる。
売り出す頃には、そんな昔の面影なんてまるでない古びたお化け屋敷に変わってて悲しかった。床は腐り、天井は抜け落ちてる。庭には、昔金魚や鯉が優雅に泳ぐ池があったんだ。売却を開始するときは、完全に水が干からび、ゴミと砂利で埋まってしまってたよ。
感傷的になる一方で「絶対に売ってやる」という現実的な気持ちもあった。
土地を持ってる間、固定資産税を払わなければいけない。使ってもいない土地にかかる税金がいまいましかった。
もし僕の代で売り切っておかなければ、次の世代へ負の遺産を引き継がせることになる。
もし昔みたいに、親戚同士で集まる機会があれば、残しておく価値も少しはあるかもしれない。でも、今もうすでに親戚づきあいがない。土地の存在を共有できる人たちはもういないということ。
どう贔屓目に見ても、この土地が有効活用される未来はない。そんな土地をさらに次の世代へ引き継がせるなんて、絶対にダメだ。
先祖代々、引き継いできた、僕自身の思い出も詰まった土地だけど、いま売っておかなければいけない。そう強く思った。
田舎の土地は広い、広すぎて買い手が見つかりにくい
田舎の土地でよくあるパターンだ。広すぎるせいで、欲しがる人があまりいない。
僕の土地もまさしくそう。330坪の広さだった。
一般的な家族が戸建用に買う土地は50坪くらい。普通に探しても買い手が見つかる可能性は低いだろう。
広すぎる土地を売るときは分割して売ってもいい。「分筆」という手間はかかるけど、土地を買い手にとって利用しやすいサイズで分割して売り出すことができる。
分割で売れば、たしかにターゲットは増える。でも、もともと需要の低いエリアにある土地なら、分割した土地の一部が中途半端に売れ残るリスクがある。
最初、不動産屋が僕に勧めたのは分割売却。
でも、分割にしても売れのこる区画が出そうで怖かった。
売れ残りの土地をまた代々相続していくの? そんなの勘弁してほしい。
売れ残りのリスクを考えると、分割売却は選べなかった。その選択肢は大正解だったよ。結局は、一括でまとめて土地を購入してくれる相手が見つかったから。
土地の一括売却と分割売却の差は以下の記事で特集してるよ。
広すぎる土地に手を焼いている人は読んでみるといい。
広い土地を分割して売るには?分筆が必要です。一括売却と比べてみよう
田舎の土地の利便性が悪いのは常識
僕が売った土地は、勝手に思い込んでいただけで、それほど悪い立地ではなかったのかも。車を10分走らせば、国道へ出る。国道沿いにはファミレス系の飲食店や大型のスーパーマケット、ドラッグストアが見つかる。
住み慣れていた場所と比較してしまうと、どうしても交通の便が悪く感じた。
でも、田舎は車社会という常識がある。
電車やバスの公共の交通機関が不便であっても、車でアクセスしやすいところにある土地なら、余裕で買い手は見つかるだろう。
下水道整備は売れるか売れないかを大きく決める
下水がしっかり整備されていたところは、田舎でも僕の土地の売れる可能性を高めた。
僕自身が子供の頃に生活していた家。福井県の武生市、田んぼに真ん中に立つ一軒家。
そこには、汲み取り式の簡易水洗トイレしかなかった。
その前は水洗式のトイレを装備してたマンションに住んでたから、引っ越したばかりの頃は、トイレの様式の違いに色々と苦労した思い出がある。
すでにその環境で生活しているなら、慣れてるから余裕かもしれない。
けれど、今から住む場合には、便利の悪い簡易水洗を選びたくない気持ちがある。
土地の売却を邪魔する近所付き合い、親戚づきあい
田舎の土地だと、買い手がいるかどうか以前に、売らせない環境というのがあるらしい。ご近所さんとの付き合いや、親戚関係。そういうしがらみが、売却を邪魔するらしい。
特に、家制度による親戚同士の上下関係は家を売るときにすごくやっかいなものだと聞いた。
ご近所さんなら、売ってサヨナラしたあとはもう会わなくて済むけど、親戚関係は生きてる限り続くからね。
本家、分家、日本の家制度。本家でも分家でも先代から分けてもらった土地は、親戚の総意を得るまで下手に売り出さないほうがいいらしい。
僕の家柄には、そんな縛り付けはなかったから、売り出すのは自分の意志で決められた。
田舎の独特の習わしが家の売却を邪魔することがあるんだね。
不動産を売却するときは、ご近所さんへ挨拶
地を売り出すと、購入希望者が土地の状況を見に来る。内見を予約せず、お忍びで土地のまわりの様子を窺いに来る場合もある。
土地のまわりにゴミが散乱していたり、違法な駐車があったりすると、購入希望者への印象が悪くなる。
でも、僕は売却当時も土地の近くに住んでなかった。土地の管理はできない。
そこで菓子箱を包んでご近所さんへ挨拶回りに行ったよ。
何か特別に手伝ってほしいことがあったわけじゃないよ。土地が売却中だということを周知させるためだ。礼をもって事前に告げることで、少なくとも嫌な気分にはさせない。土地の内見にきた購入希望者へも感じ悪くはならないだろう。
良いか悪いかは別として、田舎はご近所さん同士の結びつきが強い。まわりに知らせず、何か勝手に始めことに、面白くないと感じたり、面子を潰されたと誤解したりする人もいる。
僕は幸運だった。ご近所のみなさんがとても親切な人だったからだ。
隣の人もつい何年か前に土地を売却したらしい。そのときの売れた額や購入者の素性など、土地の売り出し方の参考になる情報を教えてくれた。
売れない土地でもご近所さんが売却のきっかけを作ってくれるかもしれない。
売り出した結果、2300万円で土地は売れた
僕が売った土地が、どんな土地だったのかをわかってもらえたと思う。
売却するのに、最悪な条件の土地ではなかったかもしれない。
確かに、もっと絶望的に買い手を見つけにくそうな土地はあるだろう。でも、どんな土地でも、売れる可能性はゼロではない。
売却の専門家である不動産屋と意見をかわしながら、状況に合わせた効果的な宣伝方法で繰り広げれば、購入希望者からの打診は2つ3つは必ずある。
とりあえず、あなたの土地がいくらで売れるかを査定しておくべきだ。
査定は、ただ売れそうな値段を知るためだけではない。査定額以外に以下のことも提案もらえる。
- 土地を売るための販売戦略
- 売らない場合の土地活用のヒント
そもそも土地を売却する方法や流れを知らない人もいるだろう。査定することで、土地売却を成功させるまでの道筋を教えてもらえる。
ネットの一括査定サービスは便利だ。現住所から遠くの土地でも売却価格を査定できる。わざわざ土地のある場所へ出向く必要はない。
PCのモニタ越しに、無料ですぐあなたの土地がいくらで売れるかがわかる。
ネットの一括査定は無料で複数社から査定してもらえる便利なサービス。
何度も不動産屋へ足を運ばなくても、一度の入力で3~6社から一度に査定してもらえる。5分あれば、土地の一番高く売れる値段がわかるんだ。
土地が売れない間、固定資産税が永久に発生し続ける。持ち続けるほど、資産価値が減り、現金も減る。田舎の土地は、今後ますます地価が下がっていく。何も行動しないことが、取り戻せない大きな損失を招くんだ。
土地の一括査定はものの5分で終わる。もしあなたが、まだ自分の土地がいくらで売れるのか見当も付けてないなら、すぐに試してみるといいよ。
上の方で紹介したのとは別の一括査定サービスを例に挙げておく。
リビンマッチという名称の一括査定サービス。田舎の地域密着型の不動産屋も査定に加わってくれるサービスで、利用者の評判もすこぶるいい。
以下の記事では、評判の良い一括査定サービスの紹介を含め、もう一度、不動産を売却するときの方法を詳しくおさらいしているので、時間のある人は続けて読んでみるといいよ。