はじめての土地売却を前に困っているあなた。
土地の売り方で注意すべきポイントを今回の記事で徹底的に説明する。
- 土地の売り方の種類
- 土地を売却する流れ
- 土地売却にかかる費用と税金
- 信頼できる不動産屋の見つけ方
- 土地の売却に必要な書類
- 賢く土地を売る方法
この記事を読めば、上に挙げたような、
土地を売るための知識がすべて身につくはずだ。
売却期間=できるだけ早く。
売却値段=できるだけ高く。
これが、賢い土地の売り方だ。
土地は高く売るだけじゃだめ。早くに売買を成立させなければいけない。
なぜなら、土地が売れない間は維持費がかかるからだ。
土地を持っていると固定資産税が発生する。売れるまでに時間がかかれば、固定資産税のぶんだけ損をするよね。
また、土地を売ると仲介手数料や譲渡税も払う必要がある。
土地を早く売りたいからといって安売りすれば、あとあと支払う仲介手数料と税金で、手元に残るお金がほとんどなくなってしまう。
だから、土地を売るときは、なるべく早く高く売ることを目標にしよう。
そのためには、以下の疑問にすべて答えられる知識が必要だ。
- 土地を売るのにお金はかかるの?
- 土地を買ってくれる人はどうやって見つけるの?
- 土地を買ってくれる相手との交渉は誰がするの?
- 土地を売る値段はどうやって決めるの?
- そもそもこんな土地でも売れるの? 売って利益がでるの?
- いつまでも売れ残ったらどうしよう?
実は僕も同じ疑問を抱えてた。
ちなみに僕が売った土地は、富山県の奥地にあった。
買い手が付きそうな土地じゃなかったから、正直言って、よく売れたなあと思ってるよ。
相続して手に入れた土地で、売る以外に有効活用の方法が見つからなかった。
そのまま放置していたら固定資産税がヤバイことになると気づいて、売却を決意したんだ。
初めて土地を売る人はみんな同じ不安を最初に持つ。
でも、安心してほしい。上で挙げた土地売却への疑問をすべてこの記事で解決するからだ。
ぜひともこの記事をブックマークしておくことをおすすめする。土地を売る方法でわからないことがあれば、いつでもこの記事に戻ってこれるように。
土地を早く高く売るためのコツ
土地をできるだけ早く高く売却するには、以下の6つのコツがある。
- 1. 適切な「土地の売り方」を選ぶ
- 2. 土地売却の流れをおおまかに知っておく
- 3. 土地の売却にかかる費用を知っておく
- 4. 信頼できる不動産屋を見つける
- 5. 必ず複数の不動産業者で査定する
- 6. 土地のプロフィールを把握しておく
それぞれがどういうことか、ひとつずつ詳しく説明していく。
1. 適切な「土地の売り方」を選ぶ
土地の売り方は3種類ある。
それぞれの違いを知って、「自分の土地に合った売り方」を選択しよう。
以下が、土地の売り方の違いだ。
- 不動産屋の仲介
- 不動産屋の買取
- 個人売買
3つの売却方法の中で、
間違った売り方を選んでしまうと、土地は売れ残るか、売れても望みどおりの条件で売れない失敗に終わる。
不動産屋の仲介、不動産屋の買取、個人売買。
3つの違いは、この記事の下の方で詳しく説明するよ。
2. 土地売却の流れをおおまかに知っておく
これから土地を売っていくわけだけど、大体の流れを知っておかなければ、準備もできない。
土地の売却は以下の手順で進めるよ。ざっとでいいから、順番を把握しておこう。
- 1. 土地の相場を調べる
- 2. 複数の業者で土地を査定する
- 3. 土地の売り方を決めて売却開始
- 4. 購入希望者と価格と条件で交渉
- 5. 買い手が決まり売買契約書を締結する
- 6. 売買価格を決済し土地を引き渡す
各手順で具体的に何をするかは、この記事の下で説明しているし、大切なことだから別の記事でも特集した。
土地を売りたい、手順を教えて
3. 土地の売却にかかる費用を知っておく
土地を売ると、お金が入ってくるだけじゃなくて、出ていくお金もある。
土地を売るには費用がかかる、ということ。土地を売却するための経費と考えてもいい。
費用がどれくらいかかるかを先に知っておこう。でないと、費用を回収できない値段で土地を売りだす失敗が起こる。
土地売却にかかる費用はざっと挙げてもこれだけある。
不動産仲介手数料 | 土地が売れたときに不動産屋へ支払う手数料。 |
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全額繰上返済 | ローンがある場合に繰り上げて返済するためのお金と手数料。 |
印紙税 | 土地の売却が成立したら契約書を作る。 その契約記載の金額にかかる税金。 |
所得税・住民税 | 土地を売って儲けたお金を「譲渡所得」という。 譲渡所得にかけられる税金。 |
測量費 | 土地の広さを測るための費用。 正確な広さを測って売らないとトラブルになる。 |
解体費 | 土地の上に立つ家を取り壊すための費用。 解体して更地にした方が売れやすい場合がある。 |
これらの費用と税金についてちゃんと理解しておこう。土地を売り出す値段を誤って付けてしまうからだ。
費用と税金を計算に入れておかないと、利益が出ない値段で土地を売却してしまう恐れがある。
最終的に手元に残るお金が、期待してたよりもだいぶ少なかったらショックだ。注意しよう。
売れたお金から「費用と税金」を差し引いた金額が利益になるよ。
事前に、どれくらい利益が欲しいのかを考えて売り出す値段を決めよう。
土地売却にかかる費用と税金については、以下の記事で詳しく説明している。参考にしてね。
4. 信頼できる不動産屋を見つける
土地が売れるかどうかは、不動産屋の腕にかかってる。
良いことばかり言ってくる不動産屋の中から本当に信頼できる不動産屋を見極めることが重要だ。
土地を売って儲けることだけを目標にすると、リスクに目が行かない。儲け話に目がくらんで、危険なことに気づかない。
不動産屋は仲介手数料で儲けたいから、いろいろと甘い言葉で誘ってくる。騙されちゃいけない。
信頼できる不動産屋を見つける方法は以下の5つ。
- 土地の査定金額の根拠をしっかり説明してくれる
- 未返済のローン、土地のいまある状況など、土地を見ただけではわからない部分もしっかり聞いてくれる
- 土地を売却させるための宣伝方法を詳しく説明してくれる
- なぜ土地を売りたいのか、理由や土地を売ることに決めた動機もちゃんと聞いてくれる
- 質問に対して専門用語を入れずわかりやすく説明してくれる
不動産屋を選ぶときは必ず上の条件を満たしてくれるところに決めよう。
僕の場合で騙されかけたのは仲介手数料のことだった。
僕だけに仲介手数料を値引きしてくれるという不動産屋がいた。調べてみると普通に他社と同じ手数料の割合だった。
値引きの提案は嘘だったんだ。
広い土地は分割した方が高く売れる?
広い土地だったから、細かく分けて売ることを強く推してくる不動産屋もいた。僕は絶対に土地を分割しての売却はしたくなかった。もともとあまり需要がなさそうなエリアだったし、小さく分けて売れ残った土地は、ますます売れないだろうと思ったから。
分割で売れば、不動産屋にとって、売れるたびに手数料は入ってくるわけで、損はしない。細かく土地を分けることで、儲けが少額でも、売れる機会を増やしたかったのかもしれない。
どんな売り方でも、売り手の希望を聞きながら最善の売却方法を考えようとしているのがわかれば、その不動産屋は信頼できる。
僕に分割の売り方を迫ってくる業者は、ほとんど僕の言い分に聞く耳を持ってくれなかった。
結局は330坪を一括で買ってくれる相手が見つかった。分割売却せずに本当に良かったよ。
分割売却についてもっと知りたければ以下の記事を読むといいよ。
広い土地を分割して売るには?分筆が必要です。一括売却と比べてみよう
5. 必ず複数の不動産業者で査定する
あなたはどうだろうか?
意外に1社でしか土地の売り出し価格を査定してもらってない人が多いからびっくりする。
たとえ最初に感触の良い不動産業者と出会えたとしても、必ず2社以上の業者で査定してもらうことは土地売却の鉄則だ。
なぜなら、査定額が業者によってぜんぜん違うからだ。僕の場合で220万円もの差がついた。
土地を売り出す宣伝方法も売却網も業者によってまったく変わる。
先にあげた、信頼できる不動産屋の条件を満たすかどうかも、複数社を比較して初めてわかる。
1社だけ独占で売却を依頼すると、競争相手がいないことを良いことに、不動産屋に手を抜かれる恐れもある。
だから、肝に銘じておこう。必ず2社以上の不動産屋へ査定を依頼すること。
何社も査定を依頼することが手間な人はネットの一括査定を利用すればいい。
6. 土地のプロフィールを把握しておく
以外に自分が売ることになってる土地の状況を知らない人は多い。
土地のプロフィールはだいたい以下の項目のこと。
地目 | 土地が何に使えるかを意味してる。 住む用は「宅地」。 主要な地目で他には、「田」、「畑」、「山林」、「雑種地」がある。 |
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前面道路 | 土地に2m以上接し建築基準法で認定された道路のこと。 住宅が立てられる土地は1つ以上の前面道路に接している必要がある。 |
建ぺい率 | 土地の面積に対して立てられる土地の広さ。 防火を目的とし、周辺の住環境へ配慮する目的のため決められている。 |
容積率 | 土地に立てられる床面積の合計。 例)2階建てなら1階と2階の床面積を合わせる。 |
用途地域 | 住宅地、商業地のように土地を使う目的が決められている。 用途地域ごとに立てられる建物の条件が違う。 |
こうした土地のプロフィールを不動産屋へ最初から伝えられたら、より効果的な宣伝方法を提案してもらえる。売却価格の査定も具体的で正確になる。
土地の売り方 流れ
土地を高く売るコツがわかったところで、具体的に土地の売り方の流れを詳しく見ていこう。
1. 土地の相場を調べる
まずは自分の土地のまわりがいくらくらいで売買されているのかを調査しよう。
いわゆる土地の相場だ。
土地を売却する前に、土地近辺の相場を知らべるのは簡単。以下の方法がある。
- 現在の公示価格を調べる
- 過去の取引価格を調べる方法
- 不動産物件の検索サイトを調べる
現在の公示価格を調べる方法
公示価格とは、地価公示法にもとづいて土地鑑定委員会が公に発表している土地の価格。
地価が極端に高く、あるいは安く付けられることを防ぐため、毎年1月1日に正常な地価を複数の不動産鑑定士が鑑定し決めているんだ。一般には毎年3月下旬に発表される。
都道府県別にこちらのサイトで公示価格を調べられる。
過去の取引価格を調べる
過去の売買取引の事例を見れば、自分の土地がいくらくらいで売れそうなのか目安を付けられる。
それができるのが国土交通省が運営している「土地総合情報システム」というサイト。
取引された売買額、地域、駅までの近さ、土地の広さなど、実際に行われた不動産取引の細かなデータが見られるよ。
不動産物件の検索サイト
地域的に土地の相場を知っても、同じ値段で売れるとは限らない。
土地の値段は、単に面積だけでは決まらない。土地の形や微妙な立地など上で挙げた土地のプロフィールが大きく売却価格に影響する。
自分のプロフィールに似た土地がいくらで売り出されているかを調べてみよう。
不動産物件を数多く掲載し、売買情報を検索できるサイトなら自分と似たような条件で売り出している土地が見つかるだろう。
不動産の投資家だけじゃなくて、土地を売る人にとっても、上の3つのような方法で土地の相場を知っておくことはめちゃくちゃ重要だよ。
だいたいでも相場を知っておけば、土地を売り出すときに高すぎ、あるいは、安すぎの値段を付ける失敗をしなくて済むよね。
土地の相場を調べる方法は以下で詳しく取り上げてる。また読んでみてね。
相続したあの土地の売却相場は?早く高く売れる査定額を調べる方法
市場価格から離れすぎた値段で売り出せば売れ残る。市場価格から安すぎる値段で売り出せば、早く売れるかもしれないけど、本来売れるはずだった値段よりも安く売れるので損だ。
こうした失敗は相場を知ってるだけで防げる。
不動産は時期によって価格が大きく変化することがある。
売却する時期によっては、安売りに終わってしまうリスクがある。土地の相場の動きを見て、最も高く売れるタイミングがいつかを掴むことも大事だ。
2. 査定を依頼して売り出し価格を決める
土地の相場を知ったあとは、実際に自分の土地がどれくらいで売れるかを査定してもらおう。
相場はあくまで相場だ。土地の広さや形など土地のプロフィールで売れそうな値段は決まる。
土地の査定方法は2種類ある。
- 訪問査定
- 簡易査定
訪問査定とは
訪問査定は、不動産会社が現地で調査を行って査定額を見積もること。
実際に現地で土地の様子を確認してくれるから、査定額を決める細かい審査項目までチェックし、正確な売り出し価格を決めることができる。
訪問査定は現地に来てくれるから、正確な査定で信頼できるけど、実は不動産会社によって査定額が大きく違うこともある。
だから複数の業者に依頼することをオススメするよ。
簡易査定とは
簡易査定は、ネットで簡単に査定額を見積もること。自宅で情報を入力するだけで査定が済む。
現地調査より情報が少ないため、訪問査定より正確性に欠けるけど、お手軽かつ無料で査定額がわかる。
スマホからでも、土地が売れる値段を査定できるよ。
手元で土地の売値がわかるのは便利だね。
訪問査定の前に、まずは簡易査定でどれくらいの値段が付くか知っておくのもいい。
実際僕もネットの一括査定を利用した。よく営業の電話がかかってくるのがだるい言う人がいるけど、大手のところなら、一度断ればわかってくれるから安心。
何より査定額は不動産屋によって違うし、営業努力の質も差がある。もし売却を不動産屋に依頼するなら、比較のできる一括査定はすごく便利だよ。
僕が利用したのは下のサイト。業界最大手で信頼できる不動産業者に査定してもらえる。査定額の違いになんと230万の差があったよ。複数の不動産会社にまとめて査定してもらって本当に良かった。
査定額に230万円の差。土地の査定 ここでネットからすぐにできる。
3. 土地の売り方を決めて売却開始
土地の売り方は以下の3つだ。
- 不動産会社の仲介
- 不動産会社の買取
- 個人売買
それぞれの売り方に独自のメリットとデメリットがあるから説明していこう。
不動産会社の仲介
土地の売り方でいちばん一般的な方法だ。
不動産屋に土地の売却を任せる方法。不動産屋がネットや広告などで土地を宣伝して買い手を探してくれる。
不動産会社の仲介には、3つの契約方法がある。
一般媒介契約 | 複数の業者に依頼が可能 |
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専任媒介契約 | 1社のみの契約&買主と直接契約OK |
専任専属媒介契約 | 1社のみの契約&買主と直接契約NG |
上の3つの媒介契約からどれを選ぶかは売主の自由だよ。
専任媒介契約と専任専属媒介契約の方が、不動産会社がやる気を出してくれる傾向があるけど、トラブルもある。
専任契約中の不動産屋とのトラブル例を以下で記事にしてるよ。
専任媒介契約の不動産会社に不満あり!途中で解約して他の業者へ依頼できるの?
3つのどの媒介契約でも不動産屋へ売却を任せる場合は、基本的に売り手は買い手が現れるのを待ってるだけでいい。
不動産会社が自社で運営するホームページ、タウン情報誌、ちらし、新聞など、さまざまな宣伝媒体を駆使して土地を売るための営業をしてくれる。
マンションや戸建てよりも、土地の方が売るのが難しいらしい。
もちろん利用目的が多様で使いやすい土地はすぐ売れる。
でも、長く売れない土地はますます売れ残る可能性が高くなるから、不動産会社と相談しながら売却の途中でも値段や条件を調整する必要があるよ。
購入希望者による値下げや条件変更の交渉もよくある。不動産会社の交渉力に任せながら、自分でもどんな条件まで妥協できるかを冷静に判断し、臨機応変に対応していくことが求められる。
不動産会社の仲介手数料について
不動産会社に仲介を利用するときは、不動産会社あてに費用が発生する。
不動産仲介手数料 | 土地が売れたときに不動産屋へ支払う手数料。 |
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印紙税 | 土地の売却が成立したら契約書を作る。 その契約記載の金額にかかる税金。 |
仲介手数料は、土地が売れたときだけに支払う成功報酬だ。わかりやすくいえば、売れたときだけ払えばいいお金。
仲介手数料を以下の計算式で算出できる。
売買価格が200万円以下 | 売買価格×5%+消費税 |
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売買価格が200万円超~400万円以下 | 売買価格×4%+2万円+消費税 |
売買価格が400万円超 | 売買価格×3%+6万円+消費税 |
仮に2300万円で土地を売却したら、2300万円×3%+6万円=66万円となり、仲介手数料として「66万円」を支払うことになるってわけ。
不動産会社仲介のメリット・デメリット
メリットは、やっぱりプロに土地売却を任せられるところだな。不動産会社が買主を探してくれるから、売る主は待つだけで済む。
土地を売るときの法律はややこしい。契約で揉めると面倒。売却に必要な書類を集めるのも苦労する。不動産会社に仲介してもらえることで、こういう面倒から逃れられる。
デメリットは、やっぱり仲介手数料かな。売却が成立したら手数料を支払わなければいけない。大きな土地なら、売ったときのお金も大きい。仲介手数料もかなりの額になるはずだ。
あと、不動産屋のやる気や営業力しだいで、土地が売れるかどうかが決まるところもデメリットかもしれない。任せる不動産屋の選出を間違えば、土地は売れない。実績のある信頼できる不動産屋を選ぼう。
不動産会社の買取
不動産会社に直接土地を買い取ってもらう方法で売却することだ。
査定してくれた不動産会社が、査定後にそのまま土地を買い取ってくれることがあるんだ。
査定を依頼した流れで、売買契約までいけるので物事がスムーズに進む。仲介のように買主を探す手間がないから、早期売買が可能なところが大きなメリット。
ただし不動産会社の買取の場合は、相場よりも安い値段になることが多い。
確かに早く売れるから固定資産税のことを考えるとお得かもしれない。でも、買取の相手は、不動産市場を知り尽くしたプロだ。あまり儲けられる相手ではない。
不動産買取にかかる費用
仲介ではないので、仲介手数料は不要だ。売買契約の際に印紙税が発生する。
印紙税 | 土地の売却が成立したら契約書を作る。 その契約記載の金額にかかる税金。 |
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不動産会社の買取 メリット・デメリット
メリットは、査定後すぐに買い取ってもらえること。でも買取価格は査定よりも低くなることがあるため、期待していたほどの利益が出ない。
でも、売れない間の固定資産税のことを考えると早く安く売ってしまったほうが得という場合もある。仲介手数料が不要な点もメリットだ。
個人間の売買
不動産会社を介せず、直接土地を個人同士で売買する方法のことだ。
あらかじめ購入者が決まっているならすぐに取引を行うことができるけど、これから買い手を探す必要のある場合は、だいぶ面倒。
不動産売買のオークションサイトへの登録や、不動産情報サイトへの登録を自分でしなくちゃいけない。
不動産取引は大きなお金が動く。売買を取り付けるための専門的な知識がないと、あとでお金や引き渡しの条件などで揉めるリスクがある。
だから普通の「今回が初めて土地を売る経験」の人には、個人売買は勧められない。
準備から手続き、お金の移動も全部自分で背負える人だけに可能な売り方だ。
個人売買にかかる費用
個人売買で売却するときは、以下の費用が自腹で必要。
宣伝広告費 | 購入希望者を見つけるための宣伝や広告にかかる費用。 ネットの物件サイトへの登録料やチラシの発行費用が含まれる。 |
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印紙税 | 土地の売却が成立したら契約書を作る。 その契約記載の金額にかかる税金。 |
宣伝広告は意外にかかる。「Yahoo!不動産」なら、月額1万円で問い合わせの数によってさらに課金される。SUUMOは個別に見積もり。HOME’S、アットホームもYahoo!と同じく、「月額1万円+問い合わせの数による課金」だ。
物件を掲載する不動産サイトの種類が違うと、微妙にターゲットも変わってくる。アクセス数も違う。どこが一番コストパフォーマンスが高いかを調査してから登録しよう。
個人売買 メリット・デメリット
個人売買だから、すべてが自己責任だ。
僕が土地の売却を決めたときは当然、不動動産を売買するための知識がなかった。
契約を結ぶための書類や手続き。契約で残しておくべき書類。税金。挙げだすときりがない。だから普通に不動産会社の仲介を利用した。
逆にいえば、個人売買で土地を売る人には、不動産会社と同等の知識が要る。
不動産売買に詳しい人は、不動産屋の意見を聞かずに自分で決めた額で売却できる。そこはメリットかもしれない。
土地を売る方法 メリット・デメリット 比較表
これまで見てきた、3つの土地を売る方法についての比較表だ。それぞれのメリットとデメリットが一目瞭然だ。
メリット | デメリット | |
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不動産会社 仲介 | 楽 トラブル小 |
手数料 売れる時期値段は不動産の実力しだい |
不動産会社 買取 | 早期売買が可能 仲介手数料が不要 | 売却額が低くなる |
個人売買 | 希望する金額で売れる | トラブルの対応 不動産売買の知識が必須 |
4. 購入希望者と価格と条件で交渉
土地を買いたいという人が名乗り出たら、冷静に契約を目指し交渉が始まる。
購入希望者との交渉では主に以下を決める。
- 土地の成約価格
- 引き渡し時期
- 代金の支払い日
成約価格は、最終的に売り手と買い手が売買契約を結ぶための価格だ。この価格が売れたお金になる。
引渡し時期は、土地の所有権を買い手に移動させる日のこと。代金の支払日は、言葉通り、買い手がいつ成約価格分のお金を売り主に支払うか、ということ。
上記の購入条件を書面にしたものが「買付証明書(購入申込書も同じ)」だ。
購入希望者が作った買付証明書が、不動産屋経由で売り主、つまりあなたに渡る。あなたは買付証明書の条件を見て、交渉を進めるか判断する。
交渉は基本的に不動産会社へ任せておけばいいよ。
だから口下手な人も弱気な人も心配はいらない。
購入希望社の条件を冷静に理解し、売り主としての希望を不動産会社経由で伝えるんだ。
売り主が最初に決めた売却条件、また、購入希望者が決めた購入条件。そのまま交渉がまとまることは珍しい。
値切られて、成約価格が最初の査定額より低くなってしまうこと。あるいは、土地の上に家が立っている場合、解体して更地にすることを条件にされたりすることもある。
売りたい気持ちはやまやまだが、妥協しすぎると損をする。売った土地は二度と戻らない。慎重に検討しよう。
冷静に購入希望者の条件を見極め、担当の不動産会社とも相談しながら、お金と気持ちの両方で納得できる契約を目指しましょう。
5. 買い手が決まり売買契約を締結する
土地の売買が売り主と買い主の間で正式に約束されたことを証明する「売買契約書」の作成す必要だ。
土地を売ると数百万から数千万のお金が動く。口約束だけでは、買い主のお金の不払いや、売り主の土地の引き渡し拒否などが生じる。
売買契約書があれば、そんな契約不履行を防げる。売買契約書は、宅地建物取引士が記名と押印した上で交付することが義務化されている。
売買契約書では主に以下の内容が売り主と買い主の間で約束される。
売買契約書で売り主と買い主が約束すること
土地の正式な情報について | 登記簿にもとづいて土地のプロフィールを正確に明記する。 |
---|---|
売買で生じるお金について | 売買代金、手付金の金額と売買代金、手付金の支払日を決める。 |
土地の所有権について | 土地の所有権がいつどのタイミングで誰に渡るのかを決める。 また抵当権や賃借権が残っている場合は、それらを売主側でなくしておくことも約束される。 |
土地以外の設備について | 土地の上に立つ蔵。庭に生える草木。 こうしたものがあれば、その扱い方を決めておく。 |
税金のこと | 土地にかかる固定資産税や都市計画税(=公租公課という)。 売り主と買い主の間でこれら税金の精算方法を決めておく。 |
手付について | 手付金は売買契約時に買い主が売り主に支払う約束金。 その金額や手付金を払ったあとに契約が解除された場合の対処方法を決めておく。 |
契約違反について | 買い主か売り主のどちらかで契約違反(=債務不履行という)が合った場合の対処法を決めておく。 |
ローンについて | 買い主が土地を買うための代金を住宅ローンで準備する場合がある。 住宅ローンの借り入れが失敗した場合の対処法を決めておく。 |
瑕疵担保責任(かしたんぽ せきにん)について | 売買契約の前は、わからなかった土地の欠陥に対して売り主が取る責任の範囲を決めておく。 |
売買契約で発生する費用
買い主と売買契約を結ぶとき費用が発生する。
成功報酬の不動産仲介手数料は売買契約が結ばれるときに払う。
不動産仲介手数料 | 土地が売れたときに不動産屋へ支払う手数料。 |
---|---|
印紙税 | 土地の売却が成立したら契約書を作る。 その契約記載の金額にかかる税金。 |
6. 売買価格の決済・土地の引き渡し
売買契約が結ばれると、ついに売買価格が決済され、土地を買い主へ引き渡す。
引き渡す前には、いくつか専門的な作業が必要だ。不動産会社に相談しながらひとつずつ進めるのが確実だろう。
残金の精算 | 売買代金から手付でもらった金額を買い主から支払ってもらう |
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所有権移転登記 | 所有権を売り主へ移転させるために必要な書類を司法書士へ渡す。 司法書士が所有権移転登記をしてくれる。 |
抵当権抹消 | 土地に抵当権が設定されている場合は、司法書士が所有権移転と一緒に抵当権の抹消もしてくれる。 |
公租公課の精算 | 売買契約書で決めた方法で固定資産税と都市計画税を精算する |
仲介手数料の支払い | 売買契約時ではなく売り主の決算に合わせて仲介手数料を払う場合もある。 |
以上が売買代金の決済と土地の引き渡しをするときに行われる業務だ。
これでやっと土地の売却に成功だ。
ここまでの道のりは長い。
専門知識が必要な部分は不動産会社にサポートしてもらいながら、ひとつずつ着実に進んでくればいい。
土地の売り方でどれがベストな方法なのか?
土地を売る方法を詳しく説明してきた。もう一度振り返ってみると以下の売り方がある。
- 不動産会社の仲介
- 不動産会社の買取
- 個人売買
普通なら「不動産会社の仲介」を選択し、販売網を広げて購入希望者を見つけるのがいいだろう。
僕も、定番の「不動産会社の仲介」を選択して業者に売却を依頼した。
普段仕事のある僕に、買主を自分で見つけるのは不可能だし、オークションで土地売買の取引を成立させるような専門知識もないからだ。
デメリットとして、いちおう仲介手数料のことを挙げたけど、売ってもらうために頑張ってもらったお金だから、当然発生する費用だと思う。
最終的に売却を成功させた不動産屋は、実際よくや頑張ってくれた。広すぎて売れそうにない、買い手を見つけるのが難しい土地だった。土地を分割することなく、ちゃんと一括で買い取ってくれる人を探してきてくれた。売却価格もしっかり交渉してくれて、希望額で売れた。
最後に土地を高く売る方法について書いていく。
なるべく高く土地を売る方法
土地を高く売却するための方法はたった2つだ。
- 信頼できる不動産会社へ土地売却を依頼する
- 土地の状態をできるだけ整えて売り出す
信頼できる不動産会社へ土地売却を依頼する
この記事で何度も書いてきた。
土地が売れるかどうかは、担当の不動産会社のスキルによる。本当だ。
現実的な査定をして、現実的に売れる宣伝方法で売り出す。それができる不動産会社を見つけなければいけない。
土地の状態をできるだけ整えて売り出す
手付かずで古びた土地は見た感じに買いたくない。
僕は土地の上に立つ家を解体して売り出した。更地にした方が、買い手にとって土地の用途が広がるからだ。
家付きで売るなら、庭の草木を手入れし、家の中は当然美しく掃除しておく。売りに出す限り、土地も家も商品へと変わる。お客様が買いたいと思う状態にしてから売り出そう。
以上の2点に注意して売却を始めれば、必ず買い手が現れる。
土地の売り方。土地を高く売る方法のまとめ
かなり長い分量となってしまったけど、実際に土地を売り始めてから売却が完了するまでの道のりは長い。
売却の途中で、もしわからないことがあれば、この「ハーリーと宝探し」のサイトへ戻ってきて、「土地売却」のカテゴリーにある記事を読んでほしい。
今後も土地を売る方法についてどんどん更新していくよ。